アンベールジャイプールから11km北へ行ったところに昔のジャイプールの州都、アンベールの街があります。1592年にアクバル軍のラージプート兵士であったマハラジャのマン=シンによって、アンベール城の建築が始められ、その後何度かの改装を経て、今のジャイプール旧市街がある平地へ街を移転する直前に当時のマハラジャのジャイ=シンによって完成されました。この城はラージプート建築様式の典型で、下にある池を見下ろすようにして山の中腹に建っています。城は美しい宮殿やホール、あずまや、中庭、寺院などで構成されています。Diwan-I-Am(謁見の間)には支柱が並び、格子のついた回廊構造、Jai Mandir(勝利の間)にはきらきらと光が反射するように鏡をちりばめた天井、Sukh Niwas(喜びの間)には象牙を象嵌したサンダルウッド製の扉など、廃墟となって数世紀もの間放置されていた割には、建設当初の美しさを損なわずに現存している姿を目にすることができます。城への一番よい行き方は、象のタクシーに乗って、昔のマハラジャを体感しながら城へ上がっていくことでしょう。
アンベールの街は城の下に広がっていました。かつて文化人や工芸職人、一般市民などが生活していた地域は、現在では殆どが廃墟となっています。Jaigarh アンベールに隣接して建つこの要塞は1726年に建てられ、1983年にジャイ=シンによって一般公開されるようになりました。この要塞は一度も襲撃されたり略奪されたりすることが無かったので、その輝きは宮殿や泉、中庭、劇場、数々の寺院、兵器庫、大砲台などに見られ、何世紀にも渡ってその威厳を失うことなく保ってきました。Nahargarh タイガー・フォートとしても知られるこの要塞は、ジャイプールから8km、北側にある険しい崖の上から街を見下ろすようにして建っています。
1754年にピンクシティへ向かう人々の見張り台として建てられたものです。現在ではその殆どが廃墟と化していますが、Sawai Ram Singh 2世と Sawai Madho Singh 2世が増築した愛らしい建物はこの要塞の見どころともいえます。
Royal Gaitor 街の城壁のすぐ外側に位置する王族の墓地で、特にマハラジャのジャイ=シン2世のものが立派です。Sanganer ジャイプールの南16kmのところにあるこの街は、2つの三重門の跡を通り抜けて入っていく場所です。廃墟となった宮殿の他に、Sanganerには美しく彫刻が施されたジャイナ教の寺院があります。ここは手作りの紙とブロックプリントの織物製品が名産品として有名です。
Samodeその美しさで有名な宮殿が荒れた丘に建つ小さな村でジャイプールから北へ40km行った所に位置します。
この宮殿は、マハラジャや統治者が建てたものではなく、SamodeのRawalという当時の貴族が所有していたものです。この建物の見どころは私的謁見の間で、オリジナルの絵画や鏡のモザイクなどを見る事ができます。またこの宮殿は地元の工芸職人たちによって再建、改装され、ラージプート族のハーヴェリーも必見です。
小さな村ではあるのですが、古い城壁の中には地元の工芸職人達のプリント織物やガラス製バングルなどの工房があります。宮殿は現在ホテルへと生まれ変わり、観光客を惹きつけてやみません。