現在でもジョドプールのマハラジャによって管理されているこの立派な要塞は、街の中心にある125mの岩山の頂上に這い上がって行くようにして建っています。この要塞は、ラジャスタン州にある様々な要塞都市の中でも特に印象的で非常に優れた造りの要塞で、5kmの曲がりくねった道を登っていくとたどり着けます。要塞に入るためには途中、7つの門をくぐっていかなければなりません。2番目の門には現在でもキャノン砲の傷跡をみることができます。またジャヤポル門は1806年にマハラジャのジャイ・シンが、ジャイプールとビカネールに勝利した記念に建てた門です。
勝利の門ともよばれるファテーポル門はムガル帝国との戦争を称えて、マハラジャのアジット・シンが建てたものです。最後のロハポル(鉄の門)には、マハラジャのマン・シンの未亡人たちで、1843年に行なわれたマハラジャの葬儀の際にサティとして生きたまま一緒に火葬された女性達の15個の手形が残されています。これらの手形は今でも祈祷の対象となっています。
要塞の内側には数々の中庭や宮殿が立ち並んでいます。宮殿住居には、豪華で精巧に彫刻の施されたパネルや格子状に透かし彫りされた窓などで有名なSukh Mahal(喜びの宮殿)やMoti Mahal (真珠の宮殿)、 Phool Mahal (花の宮殿)やSheesh Mahal (鏡の宮殿)などがあり、人々の目を惹きつけて止みません。こういった宮殿内には. インド王族が使用していた、素晴らしい馬飾りやふんだんに装飾が施されたお輿、数々の式典にマハラジャが参加するときに使用した、象の背に乗るための天蓋つき象かご、子供用のゆりかごや細密画、民族楽器、宮殿で使用されていた家具や王族が愛用していた豪勢な衣装など、数々の豪華絢爛な展示コレクションが並んでいます。ドゥルガー神に捧げられたチャムンダ デヴィ寺院が要塞の南端に建ち、塁壁には大砲台が並び、城壁の上から見下ろす街の眺めは特に見ものでしょう。